小澤征爾「おわらない音楽」を読んで

20141207これまた、図書館新刊コーナーの一角で見つけて、一気読みした。本人の人柄そのものが文章となっていて、とても平易で読みやすかった。それにしても、名もない頃から実業界の大物や偉大な指揮者と次々に巡り会い、怒涛のごとく突っ走ってきたバイタリティはさすがだ。そして、これほど周囲の人々に恵まれた音楽家がほかにいるだろうか。じっくりと読んで見て、小澤征爾の原点は人を引き寄せる魅力溢れる人間性にあることに気づいた。ついでに意外な発見を3つほど挙げると、

  • 本人は当初、ピアニストを目指していた(以前、テレビインタビューでピアノは全く弾けない、と言っていたのを真に受けていたが、実はラグビーで指を骨折して転向したとのこと)
  • 結婚暦でバツイチだった(初婚はピアニストと、そして現在の奥さんは日本で人気のあった元モデルであることを初めて知った。以前より、横文字の奥さんは米国調達と思っていた由)
  • NHK交響楽団と犬猿の仲だった(どうしてN響コンサートに出演しなかったのか、よく分かった)

なんとも、楽しく心地よい本だった。

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小澤征爾「おわらない音楽」を読んで への2件のフィードバック

  1. 西川信二郎 のコメント:

    私は、今朝のラジオ深夜便で兄の小澤俊夫の話を聴いたところです。話の中、チラッと弟の征爾のことが出てきました。終戦の日、彼らの父親が子供たちにこれからはじぶんの好きなことをしなさいといったことなどの話が出たので、ネットでどんな顔かと調べたら当然ながら弟に似ていました。写真の中に黒姫童話館がありましたので、そこにさっそくバーチャル旅行などしました。
    さてさて、貴兄の今日のブログで小澤征爾が出てきてその偶然に少しばかりびっくりして筆をとりました。いつも写真やブログの話を楽しんでおります。

    • 安曇野の風 のコメント:

      コメント、そしていつもお読みいただき、ありがとうございます。小澤征爾の本も然り、ラジオ登場の次兄の話も盛り上がったことでしょう。小澤一家は凄いですね。この一家、本の中で以下の逸話が書かれていました。

      リヤカーでピアノ… 征爾にピアノを習わせるために、親戚から譲り受けたピアノを兄弟が3日がかりで横浜から立川までリヤカーで運んだとの由。
      父、ケネディに談判 … 米国で活躍する征爾を陣中見舞いすることになった父が言い出した「米政界で話の分かりそうなロバート・ケネディにベトナム戦争の批判をブツ」ために皆が翻弄した話。中曽根康弘の紹介状を手にして、父・開作が本当にケネディに談判するに至ったところは、もうこの一家は尋常ではありません。

      ラジオでも、さぞ武勇伝があったことでしょう。脱帽ですね。

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