5/31(土)から6/5(木)までの六日間、NHK BS1で世界大戦のドキュメンタリー番組が放映された。連ドラ予約で録画して本日までにこれを観た。前半の2日間は開戦100年となる第1次世界大戦をドイツの公共放送局が、後半4日間は70年前のノルマンディー上陸作戦を英国BBCとフランスの会社がそれぞれ制作した。ともに節目の年になるのと、ノルマンディー上陸作戦は6月6日が決行日(D-Day)であり、より臨場感があった。
第一次世界大戦は化学兵器を含めた近代兵器の投入によって過去に類のない大量殺戮が行われた。日本では第二次世界大戦の陰になって印象が薄いが、むしろ第一次世界大戦の方が仏では3倍、英では5倍の死傷者が出て凄惨な戦いであった。ノルマンディー上陸作戦は連合国の25万の将兵と7千隻の艦艇を投入した大規模な陸海空軍共同作戦で、大戦の欧州での勝敗を決定づけた。その2年前の1942年にも上陸作戦を決行したが、5千人以上の犠牲者を出して失敗に終わっている。その後、2年をかけて徹底した情報収集と計画遂行をし実行していった様を目の当たりにした。作戦に成功したとは言え、初日だけで数千人の戦死者が出、上陸後の2ヶ月間に及ぶノルマンディー攻防での全体死傷者数は今だ明らかになっていないようだ。仏の会社のドキュメンタリーでは水中撮影ロボットや潜水艇を駆使して“作戦の記憶”を海底から掘り起こし、これまで知りえなかった機雷によって沈められた連合軍船団の夥しい船舶の傷痕を鮮明に映し出している。
3カ国で制作されたドキュメンタリーを観ていずれも戦争の悲惨さ、とりわけ20−30代の多くの兵士が犠牲となっているのが痛まれる。作戦に従事し生き残った人の回想では、皆誰もが祖国のために死を覚悟し絶対に生き残れないことの述懐が印象的であった。昨年読んだ特攻隊員関係の本も然り、大戦はまさに世界中の若者が苦闘し壮絶な記録を刻んだ歴史であることを改めて感じた。