横溝正史「迷路荘の怪人」「消すな蝋燭」を読んで

以前のブログで図書館、夏のイベント「ミステリーと怪談」について書いた。その後続編で、今回はイベント展示本の中から横溝正史の2冊を借りて読んだ。いずれも横溝正史・生誕110年を記念して、2012年に刊行された。 「迷路荘の怪人」は永らく絶版のまま “ 幻の作品 ” となっていたようで、その外にレアものの「旋風劇場」を収録した本で、物珍しさに駆られ借りてみた。2編とも登場人物のほとんどが変死を遂げるもので、アガサの「そして誰もいなくなった」を思い起こさせた。

20140825「消すな蝋燭」は表題作の他、「首・改定増補版」「神楽太夫」など岡山を舞台に金田一耕助登場の短編、全8編を収録した本で、短編ならではのテンポのよさとシンプルさで楽しめた。正史のミステリーは時代を越えた新鮮さがあるが、年齢観には差があって、30歳を越えた女性は大年増、60歳を境に枯れた老人として扱われていて、何とも切ない。

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