中山七里「追憶の夜想曲」「いつまでもショパン」を読んで

題記の作家は馴染みがなく、図書館の新刊コーナーにあった1冊を借りて、初めて読んだ。あまりのショックにどんな作家なのか、もう1冊借りて読んだ。
「追憶の夜想曲」は法廷闘争を描いた小説で、主人公は弁護士。出だしは神戸の酒鬼薔薇事件の犯人を彷彿させる、この弁護士の生い立ちから始まり、最後のどんでん返しまで二転三転するローラーコースター展開にど肝を抜かれた。それにしても後味の悪い小説で、前に読んだ直木賞受賞の黒川博行と言い、昨今はモラル欠如の作家が多いのに閉口する。

20140929

「いつまでもショパン」はショパンコンクールを舞台に繰り広げられるピアノコンペのバトルと殺人事件をミックスした小説。サスペンス事件の方はあまり盛り上がりを感じなかったが、ピアノコンペの解説が延々と続き音楽評論の如き中身に精読させられた。音楽内容はピアニスト「仲道郁代」の監修もあって、当を得たものであり、CD鑑賞のおさらいをしながら読んだら、読破に11日も要していた。5年に1度のショパン国際ピアノコンクールの裏側を垣間見たようで面白かった。

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