三石 博「ボトルは語る」を読んで

掲題の本には魅力あるボトルの写真が収録されていて、文章ともども見て読んで楽しんだ。工業デザインについて著者のうんちくが熱く語られ、商品誕生には様々な意図、思いそして努力が込められているのがよくわかった。副題が「ものがたりをデザインする」とあり、当初は"ものづくり"の方がピンとくると思っていた。だが、印象に残った以下の引用文などから推測するに、商品であるボトルのデザインには背景に広がる世界観を醸し出すものがたりがある、と言った感じなのか ...

長きにわたり定番として販売され続け、ブランドとなりえるのは、新しい市場を開拓した商品である。そして、それらは個人のモノづくりへの執念が結実したもので、確固たる信念と深い洞察力により誕生している。モノづくりとは、本来そのようなものではないだろうか。昨今の市場調査という、平面的、量的情報ではなく、つくり手によってどこまでも深く塾考され、皮膚感覚にまで昇華された着想により商品は生み出されるのだと思う。

デザインとは 背景にある世界観をつくること

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