最後の一葉

20151111秋も深まり、ここ安曇野は平地の落葉も凄まじい勢いです。木々によって落葉時期は異なりますが、高山のナナカマドやダケカンバはとっくに、そして近くのイチョウも散りました。今はモミジがかろうじて赤らんでいるようです。我が家の庭先の桂の木もすっかり落葉しました。否、そのはずが一枚だけ葉が残っているのを今朝、気づきました。早速、写真に納めた脇で、うちのオバはんが「最後の一葉だ!」と奇声を発しました。促すと、それは美談で、「とある病いの人が窓辺にある木の最後の一葉が落ちた時に私は死ぬ、と意気消沈していたところ、いつまでも最後の一枚が落ちないのに勇気づけられて一命を取りとめた。が、実はその一枚は本物ではなく、隣人が描いた絵だった」の落ちのある話、と説明してくれました。はっはー、私も思い出しました。オー・ヘンリの短編小説、確か隣人はしがない画家で寒い嵐の中、見事な絵を描いたものの肺炎を患い、その後にすぐに亡くなったと言う悲しいお話でした。オバはんは美談、私は悲劇と記憶の中の思い出が異なるのも、我が夫婦間ではよくある話です。ある友人が慰めてくれたこともあります。「夫婦は似た者同士の馴れ合いよりも、すれ違うことの多い方が新鮮で、いつまでも保つのよ」と..。確かにもっているようです。

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