R.ガルブレイス「カイコの紡ぐ嘘」を読んで

20160808シリーズの前作を読んで後続を楽しみにしていたものの、すでに2年近くが経過してその存在を忘れかけていたが、ようやく題記の本を図書館の新刊コーナーで見つけた。マーロウのハードボイルドぽい探偵小説だが、今回は猟奇殺人事件がテーマだった。新たな事件のミステリーだが、前作を読んでないと分かりにくいストーリ展開のように思えた。逆に前作を読んでいれば、登場人物が織りなす人間模様にどんどんハマり、読み飽きることなく楽しめる作品だ。長編なるがゆえに展開はスローペースだが、さすがに下巻の後半以降に至ると、事件解明に向けて一気読みの状態になるのは私だけではないだろう。今回も面白く、大いに楽しめた。筆者のロバート・ガルブレイスは「ハリポタ」の作者と同一人物だが、別ペンネームで執筆していて、その辺の状況があとがきで解説されている。超売れっ子作家が初心に帰り、再び文壇デビューにチャレンジして名を馳せることができたのも彼女の卓越した才能を示している。次作がまた楽しみだ。

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