藤沢周平 他「藤沢周平 心の風景」を読んで

藤沢周平の生まれ故郷は山形県鶴岡市ですが、以前から一度は訪れてみたいと思っていました。長年の懸案でしたが、この際ドライブがてら立ち寄ることにして、明日から2泊3日の旅に出ることにしました。然らば、藤沢周平と故郷を結びつける本を事前に目を通しておこうと掲題の本を読んでみました。所感を下記します。

題記の本は藤沢周平の小説の背景となった出生地、山形県鶴岡市の風景をもとに作家本人の作品との結びつきを解説したり、藤沢周平を信奉する作家の佐藤賢一と山本一力のエッセイを交えた構成となっている。作品の舞台は架空の海坂(うなさか)藩となっているが、描かれた情景は出生地の鶴岡であるには違いないことをこの本を通して再認識した。当初、拠点となる鶴岡城は海べりではなく内陸に入ったところなので海坂がしっくりこなかったが、実際には城は海に近くて海岸まで坂をなした地形であることを知り納得した。全120頁のほとんどが写真で埋めつくされ、その原風景が小説と重なって古き江戸時代にタイムスリップした感がした。鶴岡が中心の庄内平野は冬の厳しさを容易に想像できるが、夏は夏で40℃近くにもなる過酷の地であることを知り、小説の中で醸し出される自然の厳しさとストーリがよくマッチしている様を改めて感じた。

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