横山秀夫「クライマーズ・ハイ」を読んで

今月のテレビ放映で、2008年公開の掲題タイトルの映画を見た余勢に原作の小説を読んだ。原作は1985年の日航ジャンボ機の墜落事故から18年後、当時の地方新聞の記者であった著者が体験し実際に墜落現場も取材したと言う、この事故を題材に書かれた。地方新聞社が未曾有の大事件に取り組んだ様を回想録風に描いた作品だ。熾烈なスクープ合戦、新聞社内の派閥抗争、友人の病、親子のすれ違いなどが臨場感たっぷりに描かれ、読み応え十分だ。ジャンボ機墜落がメインの小説だが、主人公が泥臭く記者魂の信念を貫抜こうとする中で、もがき苦しむサラリーマンの生き様が最大のテーマになっている感がし、映画とはまた違った趣きがあった。
日航事故から今年で30年となる。個人的には、事故当日(1985.8.12)、会社の職場で催された洋上暑気払いの船上で見た東京湾上空を旋回する飛行機の中にまさに、当該機があったであろうことをその後も長く記憶の隅に止めていたことが蘇り、そして郷里の群馬の地名がそこここにちらばめられた小説を読んで、何とも懐かしい想いがした。

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大募集、図書館川柳

いつも行く図書館では、掲題のイベントがあって、今週末が募集締め切りです。「安曇野」に関する内容を詠んだ作品を募集中とのことで、本日、幾つか作ってみました。一人一作に限定とのことで、以下から選んで応募したいと思っています。(後付けで、この地の方言を補足しました)

20150723-1
ワサビ田は 夏はいいだに 涼しくて
(形容詞をより強調する..だに、はよく聞く)

20150723-2
しみるねえ いただきました 安曇野そば
いただきました、はごちそうさまの意)

20150723-3
北の旅 ずくだしましょ コハクチョー
ずく、とはど根性の意)

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一喜一憂の天気

20150722-1このところ朝方の天気は晴れ渡り、風もなく穏やかなのに、直ぐに雲が湧き風も半端でなく強まって、一喜一憂する日が続いています。写真は家の近くの朝の清々しい風景とその後の変わり様を比較したものです。朝には山に登りたい衝動も、雲行きの変化でにわかに意気消沈する日々です。このところ風も強く、今日の最大瞬間風速は14m/秒で、ベランダに干していた洗濯物を慌てて取り込むほどでした。こんなに風の強い日が続く地域とは思わなかった..、とはうちのオバはんの嘆きです。

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黄色のミニトマト、登場

20150721安曇野・穂高は昨日、今日と二日連続の猛暑日でした。暑い、暑い。日中は外に出るのが億劫になるほどの暑さです。そんな中、わが菜園では黄色のミニトマトが色付き始めました。赤色に続いて食卓への登場です。器に収まったミニトマトはひときわ色鮮やかで、この暑さで甘みもかなり増してきました。残るは黒のミニトマトで、これが色付けば3色そろい踏みです。もうすぐ、出揃うかな..。

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小林公二「アウシュヴィッツを志願した男」を読んで

戦後70年。日本では靖国神社や慰安婦などがいまだ尾をひく問題だが、ナチの残虐無比な史実もこれを暴く新刊本がいまだよく出回る。この本も著者が日本人でこの春に発刊された。ドイツ占領下の悪名高きアウシュヴィッツに潜入し、脱出したポーランド軍人を描いたノンフィクション形式の記録だ。アウシュヴィッツについては、関連図書を読んだこともあっておよそその実態を知っているつもりでいたが、以下のことなどは初めて知った。

  • 収容所内にポーランド軍による地下組織があった
  • 収容所内では家族からの送金や小包も認められていた
  • 所内では売店があり、タバコやサッカリン、ピクルスなどを収容者が購入できた

本の帯には「殺戮の真実」などと書かれていて、収容所での残酷な描写も多い。タイトルからはアウシュヴィッツに終始されがちだが、潜入の記録は本全体の3分の1ほどだ。残りは、その後のワルシャワ蜂起と挫折、スターリンに支配されたポーランド政府内での抵抗と逮捕、みせしめ裁判と続き、不遇の最期で終わっている。本の副題が「ポーランド軍大尉、三度死ぬ」とあり、ナチとスターリンの全体主義と戦い、最期はポーランド傀儡政府との戦いで負けた誇り高きポーランド人の生き方を描いている。まあ日本人がよくここまで書けたものか、と思う労作だ。

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関東甲信、梅雨明けで〜す

20150719今日は関東甲信の梅雨明け日となりました。信州では平年より2日、昨年よりも3日早い梅雨明けです。本日、隣町の図書館へのサイクリング途中に、川下りボートに出くわしました。観光客が歓声を上げながら下って行きました。安曇野も真夏シーズンの幕開けです。今日の写真を編集し、カード風に仕立ててみました。暑さ厳しき折り、くれぐれもお体ご自愛ください。

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米ナス、登場

20150718狭いながらも、わが菜園で採れる夏野菜達の種類も少しづつ増えてきました。今回は米ナスの初収穫で、重さは230gありました。2年前から作り出し、今年で3年目。2年連続の豊作で、米ナスのオイル焼きや田楽は我が家の夏メニューの定番となりました。初回は早速、菜種油のオイル焼きにしたのが、左下の写真です。皮まで柔らかく新鮮さにあふれていました。好調なスタートです。

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クレージー?プレミアム商品券

20150717今日の安曇野は雨風も少なく、台風の影響はありませんでした。
ところで最近、ローカルテレビでは掲題の商品券が話題になっています。昨日は長野市の発売日で窓口に並んだ人で即刻完売になったそうです。ネットで調べたところ、極端な例として、飯山市では以下の情報がありました。

午前8時15分ごろまでに約500人が列をつくり、192人で準備した1億7500万円の商品券が完売となった。先頭は午前3時ごろから並んだという。農機具の購入を予定する男性(55)は「朝5時に様子を見に来たら行列ができていて、慌てて並んだ」。午前9時ごろに訪れた主婦(52)は商品券を買えず、「100万円まで買えるという設定がおかしい。一部の人にしか恩恵がないのは税金を使った経済対策として間違っている」と憤っていた。

安曇野市は抽選だったので混乱はなかった模様ですが、松本では3時間で完売するなど、各地とも買えない人からの苦情が相次いだようです。以前にもあったプレミアム商品券、政府の地方創生と緊急経済対策を兼ねた交付金として今年は4,200億円が配分され、その多くは「プレミアム商品券」となったようです。上のグラフは国の借金を示したもので、1000兆円を超えたことも記憶に新しい。今や、ギリシャの上をいく世界No.1の借金大国。もうギリシャの二の前ほどまで落ちぶれたのに、いまだ血税がこのようにバラまかれるのは如何なものか...。

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羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」を読んで

今しがた、掲題の本が今期の芥川賞を獲ったとのニュースに出くわした。今回、話題を巻いた又吉直樹の「火花」も同時受賞したので、これから又さわがしくなるだろう。掲題のものは月刊誌「文學界」3月号に掲載されたが、図書館のイベントでノミネート作品の陳列コーナーから借りて先週、読んだ。キャッチコピーに「超高齢化社会を抉る問題作」とあったが、160枚の短編を一気に読んで何の感慨も湧かなかった。新鮮さも純文学の研ぎ澄まされた文体もなく、これが賞を取るようなら文学界も終わりだと思ったが、正にそうなった報にガッカリした。又吉の方はまだ読んでいないが、いずれ入手して読もうと思っている。

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今日は猛暑日でした

20150715暑いですね。今日の安曇野・穂高の最高気温は35.3℃(15:00)でした。今年初の猛暑日です。これはエアコンのない我が家にとっては堪えます。今日の室内温度計は朝方の24℃台に始まり、徐々に上がって最高時は29.2℃までに達しました。暑い暑いと嘆いたのが効いたのか、夕刻には夕立がありました。およそ30分間、道路が泡立つほどの大粒の雨が降ったかと思ったらカラリと晴れました。昔懐かしの夕立の想いがしました。右のグラフはここ3日間の穂高の気温変化で、背景に我が庭先で撮った夕立風景を入れました。明日から今度は台風の影響がありそうです。

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