山崎豊子「約束の海」高橋克彦「ジャーニー・ボーイ」を読んで

図書館の新刊コーナーで題記2冊を借りて、読んだ。
「約束の海」は山崎豊子の最期の作品として話題を呼んだ。3部構成の第1部が完成したが、後続の2部、3部はその構想をスタッフが20頁ほどの紹介文に纏めている。同作家で著名な「白い巨搭」では医学を、「華麗なる一族」は金融をテーマにしたが、今回は戦争と平和について作家生活の最後をくくる大作だったようで、期半ばに未完で終わったのが悔やまれる。第1部は序章で、自衛艦と遊漁船との衝突が描かれ、実際にあった横須賀港沖の海難事故を取材し、これをもとにした人間ドラマとなっている。以前に住んでいた市で起った事故でもあり、興味深く読めた。また、事故当日に予定されていた花火大会が中止となり、去りし日の思い出が交錯した。
20140523「ジャーニー・ボーイ」は初めて読む作家の作品で、著者歴からして推理小説の類いかと想像した。題名のイメージとも異なり、内容は明治初頭の北関東/東北を舞台に英国婦人の画する日本紀行の取材を案内人側から描いたもので、「東海道中膝栗毛」が如くのドタバタ劇に推理小説を持ちこんだような構成となっている。チャンバラ活劇が藤沢周平を彷佛させて、楽しく読めた。

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外岡秀俊「北帰行」を読んで

20140519前回の読書「カノン」に関連して、題記の本を読んだ。1976年、同一作家が大学四年生の時に書したデビュー作で当時、文芸賞を取って話題となった「北帰行」だ。ボリュームはさほどないが、難しい文体と読むのに不慣れな漢字使いに手こずり読了には1週間を要した。北海道から集団就職した青年が挫折し、帰郷途上に心の支えにしてきた歌人「石川啄木」の足跡を旅して過去と現実を交錯させながら苦悩する青春物語。全体を通してもの暗く、荒涼とした雰囲気の中で、啄木の自伝めいた解説が最後まで続く。最終章で友人からの手紙のやり取りが山場で決して後ろ向きではない力強い結末に至るのが救いだ。読破するには大変だが、素晴らしい作品だった。石川啄木は私の好きな歌人で、今迄に本人の作品や後世の人が書した評論を幾多読んだが、この本の醸し出す啄木像には衝撃を覚えた。啄木がよく研究され、きっと真摯に捉えたものなのだろう。物語には無関係だが、作品中にあった啄木の歌の中から..、
「ふるさとの山に向かいて 言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」
「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」

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野に咲く、ジャーマンアイリス

20140517ジャーマンアイリスと言う花をご存知でしょうか。私はこちらに引っ越して始めて知りました。ネットで調べると、アヤメ科の花で野生ではなく育てるのも大変のようです。でも、この安曇野ではよく田んぼの脇などに咲いているのを目にし、遠くの山にも映えて見応えがあります。そんな花がお隣さんの畑でも咲いていて、今年も切り花をいただきました。家の中もぱっと明るくなりました。花咲く季節はいいですね。

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安曇野の風 – 麦畑編

20140514安曇野の風は当ブログ人のニックネームでもありますが、この時期は風の吹き荒れる日も多く、今日の安曇野も強風でした。家の中は幾分静かなのですが、それでも終日、吹き荒れると頭の中までゴーゴーと悩まされます。家の脇にある大麦畑はそよ風の時は心癒されますが、画像をクリックして本日の状況を見やって下さい。名物、「安曇野の風」でした。

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小山田浩子「穴」、中原清一郎「カノン」を読んで

文芸誌で話題の題記2冊を図書館の新刊コーナーで運よく見つけ、早速借りて読んだ。
「穴」は1983年広島県生まれの女流作家の小説で、本年1月に150回芥川賞を受賞した。平凡な日々をおくる主婦の淡々とした生活模様が途中から不可思議な出来事に切り替って現実の生々しさの中に怪談ものの様相を呈していく内容で、断片的な物語で終始している。結局、テーマや主張が見えずによく解らない小説だった。
20140512「カノン」はペンネームを二つ持つジャーナリスト兼作家の作品で、学生時代に別ペンネームで文壇デビューして以来30数年振りに執筆したもののようだ。文芸誌、書評には “身が震えるほど感動的な新生ドラマ”とあり、読みはじめたところスリリングな展開に身の毛がよだち一昼夜にして読み終えた。近未来を想定した生体・脳間(海馬)移植をテーマに家族愛や生命の尊厳を捉えたSF的実験小説の類いだ。設定はあまりに現実離れしたものだが、緻密に組み立てられたストーリが読み手を釘付けにし最終章は目もくらむほどの展開で感動ものだった。ここ1年での読書を通じ、1番のお勧め本だ。

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我が家の花たち

20140511このところ晴れ間の続いている安曇野です。この時期、あちこちで春の草花や木々の花たちが目立ちます。我が家でも庭木の花が咲きほころびました。ライラックは淡い藤色の花が樹木いっぱいに開花し、ハナミズキは小振りながら春の日射しをおう歌しています。澄んだ心地よい空気、遥かに聳える山々、脇には花々と春爛漫とはこのことでしょうか...。のんびりと過ごしながら、浮かんだ一句は、、、
「春爛漫、ひねもすのたりのたりかな」

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シーズン初の芝刈り

20140509庭の芝生も青めいてきました。先日、面倒を見てもらっている業者さんに聞いたら「5月下旬頃から芝を刈ってください」とのことでしたが、ご近所さんからは芝の花芽が出たら栄養を盗られるので刈った方がいいよと言われました。家の北側を除く芝には花芽が黒っぽく目立つようになったので、本日、シーズン初の芝刈りをしました。何分、半年ぶりの作業で、手入れを怠った芝刈り機のメンテから始めて時間のかかる芝刈りでした。作業後はより青さの増した芝になったような気がします。

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美ヶ原、周遊ハイキング

20140508本日、日本百名山の一つ、「美ヶ原」を周遊するコースを歩きました。山仲間のみなさんと総勢5名で現地を午前7時半から午後2時までの6時間半、中腹の三城牧場から茶臼山経由、美ヶ原の王ヶ頭を周回する約12kmをハイキングしました。晴天で見晴らしがよく、北アルプスをはじめ八ヶ岳連峰などの遠景や右画像の茶臼山から美ヶ原方向の眺望はバツグンでした。残念なのは途中から風が強くなり、平地から吹き上がる風に身をかざして歩いたり、昼食やコーヒータイムの風よけに苦労しました。周遊中に録画した中から5つのクリップフィルムを編集しましたので、画像をクリックしてご覧ください。

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夏野菜も佳境です

20140507遅霜がまだ気になる時期ですが、ここ安曇野では一斉に夏野菜の苗植えが始まりました。今年もやります!と意気込んだものの、主導権は相変わらずカミさんで、ブログ人はただただ指図されるままに丁稚奉公です。今日はキュウリ、ミニトマト(赤・黄)2本づつとナス、米ナス、ピーマンを各1本植えました。段取りは、まずスコップで薪ストーブの灰を混ぜて畑を耕し、畝を作って苗を植え、支柱で苗を支えてから風よけのビニール囲いをする。複数年、これを経験しましたが学習能力がなく、今年も右往左往しました。何とか形になりましたが、果たして成育と実りはどうなりますやら...。

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田植えも佳境

20140506ここ安曇野は5月連休が田植えのピークです。田には連休前から水が張られ、およそ半分程の水田で田植えが終わりました。苗の先が顔を出した水もに浮かぶ風景は一段と色彩豊かとなり、春の陽射しが眩しい限りです。安曇野の野から見る北方と西方の風景を写真に納めましたので、クリックして拡大画像をご覧ください。

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