樹木希林「樹木希林120の遺言」を読んで

昨年、2018年9月15日に没した樹木希林の本を読んだ。副題の「死ぬときぐらい好きにさせてよ」はテレビCMでも話題になった。テレビ、新聞、雑誌はじめ、あらゆる媒体から選出された中から選ばれた120の言葉。出版日が今年2月なので、ご本人が遺言として言葉を選んだのではなく、印税も本人には無関係だ。本人は超人的で晩年は映画界のカリスマ的存在にも迫ろうとしていて、遺言はさぞ奇抜なものが多いだろうと当初、予想した。だが読み終えると、その多くはごく真っ当な言葉のように思われた。でも、10年以上に渡って大病と向き合いながら多くの業績をあげることができたのも、この平常な言葉が心の支えになったに違いない。ただただ、凄い人だったとの思いを強めた。気になった言葉を挙げると、
「楽しむのではなくて、面白がることよ」「がんになって整理を始めました、物がない暮らしはさっぱりするんです」「がんにならなかったらそこそこの人生で終わった、がんになって死ぬのが一番の幸せ」
とても気丈な人らしく、最後の遺言(2018.5)はいかにも彼女らしかった。
「いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。」

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