逢坂剛「闇の平蔵」を読んで

今、ハマっている平蔵シリーズの3冊目を読んだ。読んだ順は最新の第4作、第2作についで今回が第3作目だ。単行本のシリーズでは毎回6話からなる短編で、逢坂流の平蔵にもだいぶ慣れてきた。今回の「闇の平蔵」では火盗改(かとうあらため)トップの平蔵と同格で加役の松平左金吾が登場し、平蔵とは違うキャラに味わいがあった。6話中でタイトル「闇の平蔵」では、そのキャラが主役で立ち振る舞う短編で、平蔵とは対照的だった分、一番印象にも残った。また今回も魅惑的な女性が手先として登場し、場を盛り上げた感がした。前作の2巻と今回の3巻では、表紙および章立て挿絵の画家が実父であったのも興味深い。第3巻の発刊後に105歳で大往生した実父の挿絵画家と親子共々で創作したのは凄いの一言で、作家冥利に尽きる感がした。最新作の4作目では表紙に実母の挿絵を使い、タイトル名を「平蔵の母」としたのは更に驚かされた。何とも凄い逢坂ファミリーだ。

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