高山羽根子「首里の馬」を読んで

今般、題記の芥川賞受賞作を雑誌投稿の中から読んだ。不思議な読み心地だった。芥川賞と言えば純文学、でも本作品はちょっと違う感じでファンタジーぽくもあった。主人公はとても弱々しく描かれているものの、人の営みの歴史や文化を健気に受け継ごうと行動する様に切なさを感じた。作者はおそらく埋もれようとしている沖縄の文化を掘り起こし、問題提起することに着眼した作品に思えた。ストーリー構成で世界中の人とのネット交信や文化の調査記録を小さなチップに載せて複数箇所に保管するなど、現代の風潮も取り入れていて、ある種の斬新さも感じた。受賞作として納得のいく作品だった。

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