梶井基次郎「檸檬」(れもん)を読んで

小説としても画集としても楽しめる人気シリーズ「乙女の本棚」で題記の「檸檬」を図書館から借りて観て読んだ。イラストレーターが描いた絵と小説がコラボした絵本だ。不朽の名作、「檸檬」を読んだのは高校時代、確か現国の教科書に「路上」があった。どこにでもある日常の風景で、普段着の生活の匂いがした極短編の小説ながら、あまりの瑞々しさと切なさに感動して、梶井基次郎の短編を集めた文庫本を買った記憶がある。それの代表作が「檸檬」で、下の写真右の同じ文庫本は平成時代に買い替えたものだ。生涯を通じて何度も読んで、すっかり染みついた感の「檸檬」だが、今回の絵本を読んでちょっと違和感を覚えた。風景を思い描きながら読む小説と違って、最初からありきの風景だからだ。うーん、画集としての楽しみは味わえたが、あまりにクリアとなった風景に小説が少し興醒めする思いをした。同じシリーズ、もう1冊借りた別の名作は後日、ブログ投稿したい。

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