池井戸潤「下町ロケット2 ガウディ計画」を読んで

下町ロケットと言えば、2010年10月に刊行され翌年に直木賞を受賞した小説だ。実際にこれを読んだのは2015年の秋だったが、折りしも丁度その時に第2弾の本作が発刊されつつも読まずじまいだった。前作の自分の読書記録を見ると、発刊された5年後にも今だ人気が衰えず図書館予約して借りた旨の記述がある。第2弾の本作が当時話題になっていたのは疑いようもなく、それが前作にも及んでまずは図書館予約数の少ない方を読んだのだと思うが、これらのいきさつは今やすっかり忘れてしまった。今更ではあるが先日、理髪店に本作が置いてあり順番を待つ間に読み始めてハマってしまった。あれからおよそ1週間、下町ロケットの続編は本作を含めて3作あり、図書館から借りて全て一気読みしてしまった。面白い!
さて本作だが、宇宙ロケットの次は医療機器への挑戦。医療分野を取り巻く機器開発や安全リスク、大学や病院の権力争いなど社会の構造が透けて見えた。下町を舞台に社会派、正義派、 ほうがんびいきを底流にリーダーシップ、ものづくり、中小企業魂、風通しのよい組織、会社トップのビジョン等々の企業キーワードを随所に感じた。手に汗握るストーリー展開に前作同様、エンターテイメントの醍醐味を十二分に味わえた。

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