ゆく人、くる年

妙なタイトルで恐縮です。明日で正月の松が明け、今年の年賀状も終わりとなります。年賀状の交換は時として安否を知る機会でもあります。年を重ねる内に人との別れに巡り合うのが必然となってきたこの頃です。昨年は勤めていた会社の大先輩、そして学生時代の友人を亡くしました。ゆく人を惜しみ、また新たな年を迎えました。そんな気持ちの揺らぐ中、心の安らぎに松尾芭蕉の「奥の細道」を読んでいます。右の画像の文庫本で、たまに取り出しては芭蕉の最高傑作に触れています。せいぜい50〜60頁の小作品ですが、その完成度・充実度は群を抜いていていつも心が洗われる想いです。この本の研究は昔から盛んで、多く出回っている本の中ではドナルド・キーンの解説が気に入っていて、座右の銘のようにして紐解いています。諸説ある研究の中で面白いのは、
①随行者の曾良と本人の言動との相違は曽良が正しく、真実一辺倒ではなく創造として心血を注いでいる
②本人は旅に死すことを念頭にしていたが無事に戻り、5年ほどの歳月をかけてこの本を仕上げた
多くの人を魅了する本書がうなずけます。傑出した俳句を誦じ故人を偲ぶのも読み応えを感じました。「月日は百代の過客にして、往きかふ人も又旅人也」

安曇野の風 について

安曇野に巣くう極楽トンボ
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