題記の小説が掲載された雑誌を図書館で借りて読んだ。本作は第168回芥川賞受賞作で、今般選出された2つの受賞作品のうちのひとつだ。一通り読んだのだが、よく理解できなかった。文自体は容易な文章だが、文体が独特で主人公を「あなた」と言ったり「私」と呼んだりして混乱する。子育てを終えて喪服売り場で働く女性の日常生活が断片的に描かれるのだが、文体が分かりにくい上に主張が見えてこずに読み進み、最後まで手こずった。半日ほどで読んだので、もっとじっくりと噛み締めながら読めば理解できるのかも知れないが、作者との年齢ギャップや感性の差も大きく深読みするのを断念した。今まで読んできた過去の芥川賞やその候補作の中で、一番とっつきにくかったような気がした。
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