以前の当ブログで、アマゾンプライム・ビデオのテレビ・ドラマを2つほど紹介しました。今日はそのうちの題記のドラマに関する続報です。とある推理小説を原作とし、英国BBC制作の連続ドラマは設定が1950年代、英国の湖水地方での事件簿です。本シリーズは2013年に放送が始まり、今年2022年ではシーリーズ9まで全100話が放映されたようです。Amazonプライム会員は無料で観れ、今現在、シーズン4の途中まで観ました。時代は終戦直後の古き良き時代を偲ばせ、何よりも英国の湖水地方の風光明媚は風景に癒されます。王侯貴族の邸宅のような風景が多く、ロングランでよくぞロケ地が続くものだと感心しますが、湖水地方は約2,300平方キロメートルの広さがあるようです。日本の市町村で一番広いのが岐阜県高山市の約2,200平方キロメートルで、長野県では1位と2位の松本市と長野市の合計が約1,800平方キロメートルです。

今般の直木賞受賞作を読んだ。ページ総数は220ページで文字もスカスカと、読むのに半日だった。一つ一つが独立した5編の短編集で、いずれも暗く喪失感あふれる人の心の内面を描いている。女流作家らしい気取らず優しく美しい文章で、心理描写や情景描写が巧みだ。ただ、題材が普通で通り一遍な深みのなさを感じた。受賞作として期待していただけに、あまりに平凡過ぎて拍子抜けした。歴代の直木賞ほどの秀逸さはなく、今回の他のノミネート作の方が優れているものがあったと感じた。











今般の直木賞候補作のうち3冊目を読んだ。何とも暗い内容の小説だ。2部構成で昭和10年代からの北海道・根室の大地を舞台に親子2代にわたる大河小説。第1部は身寄りのない少女が奉公先で過酷ないじめを受けながらも苦境を脱して保健婦として蘇るが、次々と苦難が襲い不遇な生涯を綴じる。第2部ではその息子が母と同じ境遇で今度は養子となって苦闘の日々を送り、負の連鎖が続く。終盤、運命に立ち向かう強さを見せて一筋の希望が描かれたのが唯一の救いだった。題名の“絞め殺しの樹”とは芯となる木に絡みつき締め付けて最後には枯らしてしまうという意味で、厳しい環境と複雑に絡まった息詰まる人間関係の中で全ての人がつぶしつぶされて生き、そして潰えることをテーマにした物語に感じた。



これまた第167回直木賞候補の中の一つを読んだ。この作家の本を読むのは2冊目で、前回も直木賞候補作だった。今回も同じように、登場人物が外国人中心だ。1950年代から1970年代にかけてのニューヨークとハリウッドを舞台にした前半、そして後半は2010年代のロンドンのCGスタジオを舞台にしている。第1部と第2部では主人公が変わっているが、通して第1部の主人公が創造した映画のモンスターにまつわるストーリー展開だ。映画に出てくるモンスターの動きは第1部では実際に造形した怪物を特撮で作製し、第2部ではほとんどの映画でCGによるコンピュータアニメになっている。その辺りの映画作りのノウハウが色濃く描かれていて、私自身の趣味と重なって面白く読めた。スタッフロールとは映画の最後に流れるエンドロールで、スタッフ関係者のことを指すらしい。映画のエンドロールは長いもので5分以上、1000人もの名前が連なることもあるのに、重要な部分の造形をしたクリエーターの名前はなかなか載らず、特殊効果の制作会社名に留めることがほとんどのようだ。映画制作の裏方の内情が詳細に描かれ、映画オタクには応えられない程の刺激があると思われる。ただ、月刊雑誌の約2年半に渡る連載で冗長化していて、特に第2部のストーリー展開は間伸びした感が強かった。


