原田マハ「暗幕のゲルニカ」を読んで

原田マハの作品を読むのは今回で6作目だが、いずれも芸術がらみの内容で期待を裏切らない。本作はピカソの「ゲルニカ」にまつわるもので、半分がフィクションでなるほどと思ったり、そうなのかと初めて知ったことに新鮮さを覚えたりと、いつもながら楽しく読めた。構成はピカソが実際に描きあげた時代の本人にまつわる部分とこの絵を美術展に展示・企画する現代の部分が何度も入れ替わりながらストーリ展開している。サブテーマが「ピカソの戦争」となっていて過去の大戦から現代のイラク戦争やテロに至るまで戦争をキーとした物語となっている。全体的にはハラドキのスリル感はなく、美術展の開催も裏話的な内容にイマイチな感じがした。むしろ個人的には「ゲルニカ」の絵に興味があって、これがどのように描かれ、その後ニューヨーク近代美術館に長く保管されたのち、スペインに戻されて門外不出の作品になったかの史実をよく知ることができたのが一番の収穫だった。

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