北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」を読んで

先日、リモートで行われた講演会で講師を務めた北尾トロ氏の代表作と思しき題記の本を読んだ。2004年の発刊で、60万部のベストセラーで一躍有名となり、その後の裁判傍聴ブームの契機となって、マンガ化、デレビドラマ化、映画化と話題を集めたようだ。本書は筆者が裁判の傍聴に2年間通い詰めた記録をルポ形式で雑誌投稿した連載物を加筆、書き下ろしを加えたものだ。裁判の堅苦しさは微塵もなく、ヤジ馬根性で多くのジャンルの裁判を面白おかしく描いている。対象のほとんどが軽犯罪で、自分のあから様なムラ気も織り交ぜて下品な書きぶりも目立つが、様々な人の人間模様が軽妙にそして切なく、もの悲しくもあって、なかなかの秀作だ。何より、読む人を飽きさせないのが、当時のベストセラーとブームを勝ち取ったのに違いない。これから、この裁判物シリーズを読み漁るか、自分の好みとしてはちょっと微妙だが..。

安曇野の風 について

安曇野に巣くう極楽トンボ
カテゴリー: 読書 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。