太田俊明「姥捨て山繁盛記」を読んで

表題から思い描いたものとだいぶ異なり、現代のいろんなテーマが盛り込まれた面白い小説だった。どうやら新聞社の小説大賞の応募作2百数点の中から勝ち残った最優秀作であることを読後の調べで知った。無名作家というよりか、アマチュア小説家のデビュー作の位置付けだが、大賞に選ばれただけあって内容も構成も書きぶりも立派で、この作家の力量を感じた。久しぶりに初々しい楽しい作品を読んだ気がした。「認知症を患う男の生きざま」「ダム建設を巡る人間ドラマ」「過疎化と地方再生の問題」が主テーマとなって物語が進むが、現代の個人や社会の問題が浮き彫りにされていて、なかなか読み応えがあった。ちょっと、体制批判ぽい昔ながらの思想が鼻に付く点を除けば、よくできた作品だと思う。

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